Jellyfin のほうがずっと多機能です。Neo Video がやる小さな部分の話をします。
Jellyfin は無料のオープンソースのメディアサーバーです。メタデータつきのライブラリ、ユーザーアカウント、トランスコード、ライブ TV、プラグイン、ほぼ全プラットフォーム向けのクライアントがそろっていて、「Plex のようなものを Plex 抜きで」と考える人の定番です。このページは Jellyfin を否定するものではありません。自分のファイルをテレビで観たくて Jellyfin を立てたら、大変なのはサーバーではなくアプリのほうだった、という方に向けて書いています。クライアントの種類が多く、それぞれ作りが違い、特に Apple TV 版は何年も iPhone 版に後れを取っていました。Neo Video は 1 つのサーバーと、どの端末でも同じ見た目で同じように動く 1 組のアプリ、それだけです。
Neo Video は独立したプロジェクトであり、Jellyfin プロジェクトとは一切関係ありません。Jellyfin に関する記述は 2026 年 8 月 20 日時点の公開情報にもとづいており、その後変わっている可能性があります。
Jellyfin にあって Neo Video にないもの
Jellyfin は無料で、有料プランがなく、コードが公開されています。Neo Video はサーバーが無料でアプリが買い切りですが、小さな会社のクローズドソースの製品です。
Jellyfin は本格的なライブラリを作ります。映画やドラマを TMDB などと照合してアートワークとあらすじを取得し、ユーザーごとに視聴状況を管理し、プラグイン、チューナーを使ったライブ TV、いっしょに観る SyncPlay、遅い回線向けのハードウェアトランスコードに対応しています。公式クライアントも、iOS、Android、Apple TV、Android TV に加えて Roku、LG webOS、Samsung Tizen、Xbox、Kodi、デスクトップ、ブラウザまであります。Neo Video にあるのはフォルダ、サムネイル、再開位置、写真の表示、そして iPhone・iPad・Apple TV・Android・Android TV のアプリです。
Jellyfin は自分で用意した VPN、リバースプロキシ、ルーターのポート開放のいずれかで外出先からもつながり(ポートを直接公開する方法は公式ドキュメントが勧めていません)、トランスコードできるので遅い回線向けに映像を小さくできます。Neo Video も外出先から観るには VPN が必要で、映像を小さくすることはせず、端末がデコードできないときだけ変換します。
2 つの作りが反対になっているところ
たくさんのクライアントか、1 組のアプリか
Jellyfin の強みは、誰でもクライアントを書けることです。だから数が多く、公式の Android・Android TV・iOS・Web アプリ、iOS と tvOS 向けの Swiftfin、デスクトップの Jellyfin Media Player、Roku・webOS・Tizen・Xbox のアプリ、Kodi のアドオン、Infuse のようなサードパーティ製プレイヤーがあります。それぞれ別の人が別のペースで保守しているので、画面も設定項目も、トランスコードなしで再生できる形式も、端末ごとに違います。自分の画面ごとにどのクライアントがいちばんよく動くかを探すところまでが、Jellyfin のセットアップです。
Neo Video は 1 つのサーバーと 1 組のアプリで、作っているのは同じ人間です。iPhone、iPad、Apple TV、Android、Android TV のアプリは同じフォルダを同じように表示し、設定項目も同じです。選ぶものも、別途買うサードパーティ製クライアントもありません。
Apple TV
Jellyfin の公式 Apple TV クライアントは Swiftfin で、無料、App Store には 2022 年 12 月から並んでいます。ただ、iPhone 版が先へ進むあいだ Apple TV 版は長く 2023 年のリリースのまま止まっていました。保守している方々の進捗スレッドでは 2025 年 1 月の時点でも作り直した tvOS 版は「出荷できる状態ではない」とされ、更新された Apple TV 版が出たのは 2026 年 7 月です。リリースごとに改善されていますが、大きな作り直しの直後で、まだ落ち着く途中です。その数年のあいだ、Apple TV で Jellyfin を使う人の多くは有料のサードパーティ製アプリである Infuse を使っていましたし、今もそうしている人は少なくありません。
Neo Video の Apple TV アプリは最初から iPhone アプリと同時に出していて、同じ購入でカバーされます。テレビのアプリが理由でこのページを読んでいるなら、違いはこの一文に尽きます。
ライブラリとアカウント
Jellyfin は本来の意味でのメディアサーバーです。管理者ユーザーを作り、コンテンツの種類ごとにライブラリを作ってフォルダを指定し、メタデータプロバイダーを選び、スキャンさせ、人ごとにユーザーを作って権限と視聴履歴を分けます。ホームビデオは照合なしの「ホームビデオと写真」ライブラリに入れます。すべて無料で、すべてドキュメントがあり、そしてすべてが設定作業です。
Neo Video にはユーザーもライブラリの種別もありません。フォルダを共有すると、アプリがそれを動画のサムネイルとファイル名で表示します。サーバーごとの任意のパスワードが、権限まわりのすべてです。プロフィール、ペアレンタルコントロール、整えられた映画ライブラリがほしいなら、Jellyfin が正しい道具で、Neo Video ではありません。
価格
Jellyfin は無料です。Neo Video はサーバーが無料で、アプリは接続、全フォルダの閲覧、動画 3 本と写真すべての再生まで無料、その先はストアごとに ¥900 の 1 回払いです。料金の話はこれで全部です。
同じところ
どちらもライブラリや視聴状況を企業のサーバーに送りません。どちらも自分の Mac、Windows、Linux で動き、自分のネットワーク経由で端末に配信します。どちらも端末が再生できないファイルは ffmpeg で変換します。どちらも Apple TV と Android TV のネイティブアプリがあり、スマホの画面をミラーリングする必要はありません。独自のリモートアクセスサービスはどちらにもなく、Jellyfin は VPN・リバースプロキシ・ポート開放のいずれかを、Neo Video は VPN を自分で用意する前提です。
Jellyfin を残したまま試すには
何もアンインストールしなくて大丈夫です。同じパソコンに Neo Video Server を入れ、同じフォルダを共有し、どれか 1 台の端末で Neo Video アプリを開いてください。Jellyfin は同じファイルを配信し続け、Neo Video はそれを読むだけです。サーバーが表示されないときは、接続トラブルシューティングによくある原因をまとめています。無料版でも端末ごとに動画を 3 本観られるので、テレビのアプリを並べて比べるには十分です。
Jellyfin のままがよい場合
次のような使い方を重視する場合、いまの Neo Video は適していません。今後対応状況が変わったら、このページも更新します。
- オープンソースのソフトウェアを使いたい、またはアプリにお金を払いたくない
- 複数人でサーバーを使い、それぞれのアカウント、権限、視聴履歴が必要
- Roku、webOS、Tizen、Xbox、Kodi、ブラウザ、デスクトップで観る
- ポスター、あらすじ、照合済みの映画・ドラマのライブラリがほしい
- ライブ TV、録画、SyncPlay、プラグインを使っている
- 遅い回線に合わせて、サーバー側で映像を小さくしてもらう必要がある


