Plex は何でもできます。Neo Video はその一部分だけです。
Plex は本格的なメディアプラットフォームです。ファイルをスキャンしてアートワークや出演者情報つきのライブラリを作るサーバー、ほぼすべての画面に対応したアプリ、ユーザーごとのプロフィール、ライブ TV と録画、広告つきの無料映画やチャンネル、どこからでもつながるリモートアクセス。その大半を使っているなら、このページで気が変わることはないと思います。このページは、テレビで自分の動画フォルダを観たくて Plex を入れたら、アカウント登録をして、スキャンを待ち、自分が入れていないコンテンツをスクロールで飛ばし、2025 年からは外出先で自分のファイルを観るのにお金を払うことになった、という方に向けて書いています。Neo Video がやるのは「フォルダをテレビで観る」の部分だけです。
Neo Video は独立したプロジェクトであり、Plex とは一切関係ありません。Plex に関する記述は 2026 年 8 月 20 日時点の公開情報にもとづいており、その後変わっている可能性があります。
Plex にあって Neo Video にないもの
Plex はほかのどれよりも多くの画面で動きます。iOS、Android、Apple TV、Android TV、Fire TV、Roku、主要なスマートテレビ、ゲーム機、ブラウザ。Neo Video のアプリは iPhone、iPad、Apple TV、Android、Android TV だけです。
Plex はきちんとしたライブラリを作ります。映画やドラマを識別してポスター、あらすじ、出演者を取得し、エピソードをシーズンにまとめ、ユーザーごとの視聴履歴とプロフィールを持てます。Neo Video はフォルダとファイルを表示し、どこまで観たかを覚え、サーバーごとに任意のパスワードを 1 つ設定できる、それだけです。
Plex のリモートアクセスは標準装備で、ルーターの設定が難しい場合のリレー接続もあります。回線に合わせてサーバー側でトランスコードし、パスがあればハードウェアトランスコード、オフライン用のダウンロード、チューナーを使ったライブ TV の録画もできます。Neo Video にはどれもありません。外出先から観るには自分で VPN を用意する必要があり、サーバーが変換するのは端末がデコードできないときだけで、遅い回線向けに小さくすることはしません。
2 つの作りが反対になっているところ
アカウント
Plex には Plex アカウントが必要です。サーバーでも各アプリでもサインインし、アプリがサーバーを見つけるのも、共有やリモートアクセスやパスが機能するのも、このアカウントが前提です。再生そのものは自宅のネットワーク内で完結しますが、サインイン、サーバーの登録、一部のメタデータ取得は Plex のサービスを経由します。
Neo Video にアカウントはありません。アプリは Bonjour で同じネットワーク上のサーバーを見つけ、サーバーにパスワードを設定していればそれが唯一の認証情報です。ライブラリの内容も視聴状況も家の外には出ません。代わりに失うものもあります。アカウントがないので友人との共有やプロフィールはなく、VPN なしのリモートアクセスもありません。
データベースとスキャン
Plex はフォルダをスキャンしてデータベースに取り込み、ファイルを 1 本ずつメタデータエージェントと照合して、作品名の並ぶライブラリとして表示します。ファイル名やフォルダ構成は決まった形式が前提で、そこから外れると作品が消えたり、まとめられたり、別の作品に照合されたりして、手で直すことになります。ホームビデオは照合なしの「その他のビデオ」という別のライブラリ種別に入れます。ライブラリが大きいと、スキャンにも再スキャンにも時間がかかります。
Neo Video はスキャンも照合もしません。共有したフォルダがそのままアプリに表示され、サブフォルダも含めてそのままです。サムネイルは動画から切り出した 1 コマで、タイトルはファイル名です。フォルダを追加したあとに待つものも、直すものもありません。ポスターや出演者リストがほしいなら、このアプリは向いていません。
おすすめ表示とオンラインコンテンツ
Plex のアプリを開くと、自分のライブラリと、Plex が提供する広告つき無料映画、ライブチャンネル、「Discover」のおすすめが混ざったホーム画面が出ます。サーバー設定でオンラインソースを無効にし、サイドバーから外せますし、そうしている人も多いのですが、自分で探しに行かないと見つからない設定で、アプリ自体はそのコンテンツがある前提で設計されています。
Neo Video にはオンラインコンテンツも、おすすめも、ホーム画面もありません。アプリを開くとサーバーとフォルダが並ぶだけです。オフにするものがそもそもありません。
価格
Plex はインストールも、自宅のネットワーク内での視聴も無料です。自分のサーバーの動画を外出先から観るには 2025 年 4 月から有料のパスが必要になりました。適用はアプリごとに順次で、TV 向けアプリへは後から広がりました。音楽と写真は今も無料です。パスは Remote Watch Pass が月額 2.99 ドルまたは年額 29.99 ドル、Plex Pass が月額 6.99 ドル、年額 69.99 ドル、5 年 249.99 ドル、または買い切り 749.99 ドル(2026 年 7 月 1 日に 249.99 ドルから値上げ)です。サーバー所有者が Plex Pass を持っていれば、そのサーバーから観るほかの利用者にもパスは要りません。ハードウェアトランスコード、ダウンロード、ライブ TV と録画にも Plex Pass が要ります。Neo Video はサーバーが無料、アプリは無料で試せて、すべての機能を使うにはストアごとに ¥900 の 1 回払いです。リモートアクセスの料金プランはありません。リモートアクセスのサービス自体がなく、VPN は自分で持ち込むからです。
セットアップ
Plex のサーバーは、サインインし、サーバーを自分のアカウントに紐づけ、種類ごとにライブラリを作ってフォルダを指定し、エージェントとスキャナーを選び、スキャンを待つ、という手順です。リモートアクセスにはポート開放が必要なこともあります。ドキュメントは充実していて初期設定も妥当ですが、メディアサーバーである以上、メディアサーバーぶんの設定項目があります。
Neo Video Server でやることは、フォルダを選ぶことです。同じ Wi-Fi のアプリを開けば最初の画面にサーバーが出ます。セットアップガイドで Mac、Windows、Linux それぞれの手順を説明しています。Mac 版と Windows 版には ffmpeg が同梱され、Linux ではパッケージマネージャーからインストールします。
同じところ
どちらもファイルは自分のパソコンに置いたまま、テレビやスマホにストリーミングします。どちらも Apple TV と Android TV のネイティブアプリがあり、スマホの画面をミラーリングする必要はありません。どちらも MKV などテレビ標準のアプリでは再生できないファイルを、端末がデコードできないときはサーバー側で変換して再生します。どこまで観たかも、どちらも覚えています。
Plex を残したまま試すには
何もアンインストールしなくて大丈夫です。同じパソコンに Neo Video Server を入れ、同じフォルダを共有し、どれか 1 台の端末で Neo Video アプリを開いてください。Plex は同じファイルをスキャンして配信し続け、Neo Video はそれを読むだけです。サーバーが表示されないときは、接続トラブルシューティングによくある原因をまとめています。無料版でも動画を 3 本観られるので、フォルダそのままの見せ方が自分に合うかどうかはそれで分かります。
Plex のままがよい場合
次のような使い方を重視する場合、いまの Neo Video は適していません。今後対応状況が変わったら、このページも更新します。
- 家の外の家族や友人とライブラリを共有したい、人ごとにプロフィールと視聴履歴を分けたい
- VPN を用意せずに、外出先からそのまま観たい
- Roku、Fire TV、スマートテレビのアプリ、ゲーム機、ブラウザで観る
- ポスター、あらすじ、出演者リストのついた映画・ドラマのライブラリがほしい
- ライブ TV、録画、オフライン用のダウンロード、Plex の無料チャンネルを使っている
- 外出先の回線が遅く、サーバー側で映像を小さくしてもらう必要がある


